35からはじめる子育て生活

新米パパが出産育児について更新中!「初めて子供を授かった時に不安だった自分が、あの時に読みたかったブログ」をコンセプトに、役に立つ情報やリアルなお金事情をお伝えします。

教育費を"債券"で作り出す

本ブログの軸は「子育てとお金」ですが、最近テーマに沿った投稿ができていませんでした。
今を逃すとお蔵入りしそうなネタがあり、今回は「教育費を"債券"で作り出す」をテーマに記事を書きたいと思います。

債券とは

本当にざっくり言うと「国や企業にお金を貸す」投資です。
お金の貸し先(以下、発行体)に破綻等の大きなトラブルがない限り、基本的に約束された時期に約束された金額が返ってくるため、一般的には「ローリスク・ローリターン」に分類される投資商品です。

株の場合、株価が下がれば大損をする事もありますが、債券は基本的に計画通りのリターンが期待できます。その性質上、子供の教育資金などある程度手堅く運用が必要なお金と相性が良いと言えます。

そして、今は債券を買うにはよいタイミングだと個人的には考えており記事にしてみました。
今なら約20年で投資額を倍にする運用も可能子供の大学費用でお金がかかる時期に備えて仕込むのも面白いと思っています。

■今債券がお勧めな理由
現在、アメリカの中央銀行FRB)はインフレ抑制のため大規模な利上げを行っています。ただ、その対応もそろそろ一服しそうな状況となっています。
債券は金利と連動して値動きするのですが、金利が下がれば債券の価格は値上がするのが通常の動きとなります(先々の事は分かりませんし、1年後にこの記事を読み返して赤面している可能性も大いにありますが…)


私は金融関係者ではありませんが、一応20年近く市場に居て、相場観や一通りの金融商品の知識は持っており債券も少額ですが運用してきました。
"靴磨きの少年"ではないとは思っており、自分の経験から昨年後半~今は債券の絶好の買い場だと判断しています。

 

債券の種類

債券を選ぶポイントとしては 「①誰に貸す?」「②いつまで貸す?」「③どの通貨で貸す?」「④どの様な方法で貸す?」の4つが主な検討材料になります。それぞれ順にお伝えします。

【①誰に貸す?】

債券で致命傷につながるリスクは発行体が潰れる事です。
一般的に企業より国の方が信用力が高く、それに反比例して利回りは減少します。
利回りはリスクの高さとシーソーの関係で「やばい奴にお金を貸すなら高金利」「信頼できる人になら低金利」と考え方はシンプルです。

■例:米国債インテル
発行体が企業の場合は、同一通貨の国債の利回りにその企業のクレジットリスク(信用リスク)を加味した利息がプラスされる格好です。条件が似ている実際の債券の数字を比較すると下記の通りです。

(2023/3/27時点:某ネット証券より)

米国債の利回り (残存年数約9.3年):3.321%
インテルの利回り(残存年数約9.9年):4.634%


両者の差の「1.313%」が米国より破綻確率の高いインテルに貸す対価と考えられます。元本100万円で年間約13,000円の差となります。


■格付け

上記の差をどう捉えるかは個人の感覚ですが、安全性の目安として発行体格付があり、米国の格付け会社S&Pの基準はリンク先の「格付け定義」の通りです。
「AAA~BBB」が投資適格債と言われていますが、私は「A」以上の企業を最低ラインに考えています。
さらにリスクを取りたくない人は米国債でも良いと思います。流石に米国が破綻したらお手上げなので、発行体としてはほぼ無リスクと考えて良いと思います。

【②いつまで貸す?(期間)】

2つ目のポイントですが、どれだけの期間お金を貸すかを決める必要があります。
債券の最大の特徴は償還日(≒満期)まで債券を保有すれば、破綻等が無ければ約束された額面の金額が戻り、その間の利息を安定して享受する事ができる点にあります。良い条件で長期債券を購入できれば長期に渡り高い利回りが確定できるのです。

期間は証券会社の在庫から選ぶ事になりますが、1年未満の物から長い物だと40年以上の物もあります。ちなみに私は発行体が企業の場合、償還日まで「10年未満」を判断ラインにしています。例えばAmazonは格付け「AA」でかなり安定的ですが、10年以上先の経営状態なんて正直分からないし、ビジネス環境の変化が激しい現代では倒産しないとは絶対には言えないと思うからです。この感覚は恐らくかなり慎重な方ですが、世の中のスピードの速さ、盛衰の激しさを考えての事となります。

■途中売却は可能?

可能ですが元本割れをする可能性があります。
債券の手数料は購入時と売却時にかかるのですが、証券会社の取り分は売買価格に織り込まれており詳細が見えません(相対取引
途中売却の場合は手数料を取られるので、償還日まで保持できる範囲で購入する事が基本的な考え方です。

また、債券価格は株と同様に市場のニーズにより変動しており、プラスに動く事もあります。実は今の時期におススメするもう1つの理由は、値上がり益も期待できる!…かもしれないからです。
これは絶対ではないのですが、格付けの高い債券であれば「長期金利の下げ幅(%)×債券の残存期間」程度の値上がりをするケースも間々あります。

例として償還日までの残存期間が20年の債券なら、長期金利が1%下がれば20%、2%下がれば40%程度の値上がりをするケースもあり、私も2019年頃に美味しい思いをした事があります。この話は不確実性があるので運があればぐらいに考えるのが正解ですが、今後FRBが利下げに転ずる可能性もあり、投資妙味がありそうです。

③どの通貨で貸す?

次にどの通貨の債券を選ぶかですが、判断がつかないなら「ドル建て債券」で良いと思います。他にも豪ドル、ユーロ、南アフリカランドなど色々とありますが、ドル建ては債券の選択肢が多く、通貨の値動きも読み易いと考えるからです。

また、ここでは債券最大のリスク「為替リスク」を理解する必要があります。
これは債券に限った話ではありませんが、外貨建ての場合、もし円高になった場合、日本円換算では元本やリターンが減少します。そして、このリスクは短期的にはかなりの高確率で発現する可能性があります。冒頭にお伝えした「約20年で倍」はあくまでドルベースで確定される話で、この点に理解が必要です。

■為替リスクとどう考える?

この為替リスクをどうとらえるかですが、ドル建て債券にとって「円高ドル安」はマイナス要因ですが、逆に「円安ドル高」の場合はプラス要因になります。
本記事の主題から少し脱線しますが、一般論として投資は「分散」がセオリーです。
ご自身の資産ポートフォリオが、もし円資産がほとんどを占めている場合は、この話はリスクではなくリスクヘッジと考えて良いと思います。

正直、超高齢化&人口減少が進む日本の通貨に全フリするのは怖いので、債券に限らず通貨の分散はした方が良いですし、個人的な考えでは短期的には円高に振れるが、今後の経済や人口動態の見通しを考慮すると長期的には円安に進むと考える方がしっくり来ます(日本に住んでいるので円資産を重視するのは間違いではありませんが)

既にドル建ての投資信託や米国株を購入されている方は、その延長線上でポートフォリオに組み込めば良いと思います。債券は投資信託と同様、長期保有に向いていますし、運用期間が長ければ長い程、為替リスクもヘッジできます。
また、償還日に強制的にドルから円に替えられる訳ではないので、その時点で円高だった場合はそのままドル資産へ再投資する事も可能です。

 

④どの様な方法で貸す?

債券の種類には大きく2つあり、額面から一定率を割り引いた価格で販売され、償還日に額面金額が償還される「ゼロクーポン債(割引債)」と毎年利息を吐き出す「利付債」の2つがあります。どちらが良いかは投資の目的や資産の余剰具合によりケースバイケースかと思います。
下記はそれぞれのタイプのイメージです(為替の動きは無視したざっくり版)

ゼロクーポン債(割引債)

 <イメージ>
 ・100万円で購入し20年後に200万円を受け取る。
 ・利息(クーポン)は無し。
 <メリット>
 ・複利効果を得られやすい(元本+利息分にさらに利息がつく)

②利付債のイメージ
 <イメージ>
 ・100万円で購入し、20年後に100万円を受け取る(額面に大きな動きなし)
 ・年に数回利息を受け取れる。
 <メリット>
 ・利息分を好きに使う事ができる。
  (受け取って放置するだけなら単利となりデメリットとも言える)

子供の教育資金など、使う時期が明確でまとまった額が必要な場合は、①のゼロクーポン債が手間も少なくて向いていると思います。
例えば、私立理系の4年間の学費は約550万円程度が目安らしいので、下記の様な商品に子供が産まれたタイミングで投資をしておけば約300万円で、大学に入学する18歳の時に550万円相当のドルを受け取る事ができます。
(2023/3/27時点、某ネット証券で販売中の商品)

■米ドル建 ゼロクーポン債米国債
 ・購入時単価:54.39%
 ・利回り:3.387%
 ・償還日:2041年5月(残存年数 約18.1年)
 ★購入時と受取時のドル円レートが同じなら「約300万円から550万円に増加

実際には利益分への課税(約20%)や、インフレする可能性もあり、一本足打法ではなく他でも資産形成をする必要があるとは思いますが教育資金の軸にする事は可能だと思います。ちなみに少しググっただけですが、某学資保険は「約275万円→300万円+生命保険」でした。期間や保険機能もあり性質が違う物との比較ではありますが後者を選ぶメリットを私は感じません。

劣後債・仕組債
なお、上記以外にも「劣後債」や「仕組債」という物も存在していますが、詳細が分からない人は選択肢に入れる必要は無いです。劣後債とは、かなりざっくりした説明ですが「発行体が破綻等した時にお金が戻って来る可能性が低くなる債券」となります(その分の利回りは高くなりますが…)

通常の債券(シニア債)であれば、万が一発行体が破綻した場合も、株や劣後債等より優先してお金を返してもらう事ができます(※いくら戻って来るかは状況次第)
つい先日もスイスの銀行であるクレディ・スイス劣後債(AT1債)が無価値になると言う大事件がありました。通常社債以外は仕組みがよく分からない物も多数あるので触らない様にしています。

 

最後に

正直、債券の事をこんなにおススメする日が来るとは想像できませんでした。
巷では「全世界株式」や「S&P500」への投資信託が人気で、それを長期積立する事が絶対の正解の様に言われています。たしかに15年以上継続すれば正解となる可能性が高く、私も積立NISA枠等はその様にしていますが、不確実性はあります。

債券では米国債を選択すれば、ほぼ為替リスクだけで額面リターンを確定できるので、100点ではなく70~80点を目指すのであれば良い選択肢だと思います。
(ちなみに為替リスクは、外貨建ての投資信託でも同様です)

私の価値観では今の利回り水準が確定できるなら十分に感じたので、一部の投資信託や株を売却してポートフォリオの中心を債券シフトしました。

なお、債券も低リスクとは言え投資商品なので投資判断は自己責任でお願いします。
また、長期投資を前提にした話ですので、余剰資金の範囲で投資される事をお勧めします。
ポイントだけを押さえ、入口の情報を提供するのが本記事の狙いです。
そのため、分かりやすさを優先し詳細を省いた説明もありますので、実際に投資をしようと思われた方は詳細をお調べ頂いてから行う事をお勧めします。
(投資の基本は分からない物は触らない、納得して行動するです)

ご覧いただきありがとうございました。